「今日も休み時間、ひとりだったの?」
そう聞くのが怖い。でも聞かずにはいられない——

知り合いゼロで小学校に入学したばかりの次女が、
「学校行きたくない」と言っています。
もうすぐGWが明けますが行きたくないとのこと‥
この記事では、実際にわが家で試している3つのこと(傾聴・楽しみ作り・先生との連携)を、リアルな変化とともに紹介します。
ちなみに私は大学で心理学を学んでいたのですが、知識があっても「わが子のこと」となると全然違いました。
同じように悩んでいるママに、正直な体験談として読んでもらえたら嬉しいです。
※この記事は専門家の指導のもとに書いたものではなく、あくまで一人のママの体験談です。お子さんの状態が深刻な場合は、スクールカウンセラーや専門機関にご相談ください。
実は「行きたくない」は2回目。幼稚園でも行きしぶりがあった
実は娘の「行きたくない」は今回が初めてではありません。
幼稚園の年少のとき、夏休み明けに毎朝泣いて行きたがらない時期がありました。
当時は先生に「まだ年少さんですし、ママに甘えたかったんですね」と言っていただいて、休ませた方がいいのかな…と迷っていました。
でも毎朝、担任の先生がニコニコしながら「じゃあ行こうね~」と抱っこして連れて行ってくれたんです。
そんな日が3~4日ほど続いたら、泣くこともなくなって普通に通えるようになりました。
園での様子を聞くと「幼稚園に着いちゃえば普通に遊んでいましたよ」とのこと。
あの時は先生の対応に本当に救われました。
年少のその時期だけで、その後は年中・年長と行きしぶりは一切なし。
そして今回、小学校入学で久しぶりの行きしぶり2回目です。
小1が「学校行きたくない」と言い出した理由
幼稚園から同じ小学校に上がった子がゼロ。
入学式の日から完全アウェーのスタートでした。
入学前は「小学校たのしみ!」とランドセルを背負って家中を歩き回っていたのに、入学してわずか数日で朝から渋るように。
娘が「学校行きたくない」と言い出した理由は、大きく3つありました。
理由① 自由な時間が一気に減った
自由遊びの時間がたっぷりあった園での生活。
それが小学校に入った途端、45分間じっと座って授業を受ける毎日に。
休み時間も短く、「やっと遊べると思ったらもう終わり」という感覚があるようです。

大人でも自由時間が急に減ったらしんどいですよね。
6歳の子にとっては相当なストレスだったんだろうなと思います。
理由② 知り合いゼロ、小規模園から大人数の学校へのギャップ
幼稚園は1学年20人もいない小さな園でした。
それが小学校では1クラス30人以上で何クラスもある。
しかも知っている子がひとりもいない。
いろんなタイプの子がいて、声が大きい子もいれば、ぐいぐい来る子もいる。
娘にとっては「どうしていいかわからない」という戸惑いの毎日だったようです。
理由③ 登校するときに歩くのが嫌(GW中にぽつりと教えてくれた)
これはGWに入ってから、ぽつりと話してくれたことです。
「歩くのが嫌」と言うので最初は「え、そこ?」と思ったのですが、
面白いのは下校時は楽しく帰れるということ。
つまり「歩くこと」自体が嫌なのではなく、学校に向かうという行為に気持ちが乗らないんだと思います。
帰りは「終わった!」という解放感があるから足取りも軽い。
でも朝は、これから始まる1日への不安で足が重くなる。

大人でも月曜の朝は通勤が
しんどいのと似ているかもしれません。
そしてこの理由を聞いて感じたのは、
まだ小学1年生は、自分が何に不安を感じているのか、何が嫌なのかを言葉にするのが難しいんだなということ。
「なんで行きたくないの?」と聞いても、その場ではうまく答えられない。
でもある日突然、ぽつりと理由を話してくれることがある。
だからこそ、問い詰めるのではなく、日々さりげなく話を聞く中で、ぽろっと出てくる言葉を拾ってあげることが大事なんだと思いました。
休み時間は毎日ひとりで絵を描いていた
「今日は誰かとお話しした?」「お友達の名前覚えた?」と聞いても、「ううん」と首を横に振る日々。
毎日ランドセルから出てくるのは、自由帳にびっしり描かれた絵。
お花や動物、大好きなクロミちゃんや家族の絵。
多い時は1日で10ページほど書いて帰ってきます。
家に帰ると「見て見て!」と嬉しそうに見せてくれるのですが、
正直なところ「ずっとひとりで描いてたのかな…」と胸がぎゅっとなりました。
ただ、1年生あるあるかもしれませんが、「話してないよ」とさっき言っていたのに、
しばらくすると

ママあのね、○○ちゃんと絵を描いたよ!
と話してきたりすることもあって。
本人の話す以上に、実は学校でコミュニケーションをとっている可能性もあるのかなと感じています。
対処法① 傾聴で安心感をつくる(大学で学んだ心理学を実践)
入学式の後、スクールカウンセラーの先生が1年生の保護者全員に向けてお話をしてくれる機会がありました。
そこで印象に残ったのが、「まずはたくさん話を聞いてあげてください」という言葉。
実は私は大学時代に心理学部に通っていて、「傾聴」については授業で学んでいました。
知識としては知っていたはずなのに、いざわが子のこととなると焦りや心配からつい余計なことを言いそうになってしまう。

スクールカウンセラーの先生の言葉を聞いて、
「そうだ、まず聞くことだった」と原点に立ち返りました。
「傾聴」が子どもにもたらす効果
傾聴とは、心理学では「積極的傾聴(アクティブリスニング)」と呼ばれる技法で、アメリカの心理学者カール・ロジャーズが提唱したものです。
大事なのは、相手の問題を解決しようとして聞くのではなく、気持ちをそのまま受け止めること。
「こうしたら?」「ああしたら?」とアドバイスをしなくても、ただ気持ちを聞いてもらえるだけで人は安心するんですよね。
📖 傾聴(アクティブリスニング)とは?
提唱者:アメリカの心理学者 カール・ロジャーズ
気持ちを受け止めてもらう経験の積み重ねが、安心感や自己肯定感につながるとされています。
| 効果 | どういうこと? |
|---|---|
| 安心感が生まれる | 「自分の気持ちをわかってもらえた」という体験が積み重なることで、心の拠りどころができる |
| 自己肯定感が育つ | 否定されずに受け止めてもらえる経験の繰り返しが、少しずつ自分への自信につながっていく |
| 感情の整理ができる | 言葉にすることで自分の気持ちを客観的に見つめられるようになる |
| 前向きな気持ちにつながることがある | 心のエネルギーが少しずつ補充されることで、困難にも向き合いやすくなる |

大学で学んだ時は「カウンセリングの技法」として覚えていましたが、
子育てにおいてもこれは本当に大切だと実感しています。
厚生労働省の資料でも、子どもの話を否定せずに聞くことの大切さが紹介されています。
(参考:厚生労働省「こころもメンテしよう」)
おやつタイムを「聞く時間」にした
傾聴と言っても具体的にやったことはシンプルです。
毎日おやつを食べながら、「今日楽しかったこと」と「困ったこと」を話してもらうようにしました。
最初は「覚えてない…」「わかんない」ばかりだったのですが、
「給食なに食べたの?」「体育は何やったの?」と具体的に聞いてみると、ぽつぽつと話し始めてくれるように。
心理学を学んだはずなのに、わが子相手だとつい「それは○○ちゃんに話しかけてみたら?」とか言いたくなってしまう。
でもそこはなるべく我慢して、さりげなく様子をうかがいながら「そうだったんだね」「それは大変だったね」と気持ちを受け止めることに集中しました。
解決策を出さなくても、気持ちを聞いてもらえるだけで子どもは安心する。
大学で学んだことを頭では理解していたつもりでしたが、娘の反応を見て改めて「本当にそうなんだ」と実感しました。
続けていくうちに、ある日娘のほうから「あのね、今日ね…」と話してくれました。
その瞬間、「あ、少しずつ前に進んでるんだ」と感じて、心の底からホッとしたのを覚えています。
ただし、困っていることには具体的にアドバイスする
とはいえ、まだ1年生。
嫌なことがあっても自分でどう対処すればいいかわからないことも多いです。
なので私は、嫌がらせなどネガティブなことがあった場合は、具体的に「先生に○○と言うといいよ」とアドバイスするようにしています。
すると「うん、わかった」と少し心配そうだった顔がほぐれるのがわかる。
「どうすればいいか」を具体的に教えてもらえることが、安心につながる場面もあるんだと思います。
「聞く」が基本。でも困っている時は対処法も一緒に考える。
この使い分けが、今のところわが家ではうまくいっているように感じています。

「困ったことがあったらママが一緒に考えるからね」と
伝えると安心したようにうなずいてくれました。
対処法② 学校の外に「楽しみ」を作って心のエネルギーを充電する
2つめに試したのは、学校の外に「楽しみ」を作ってあげることです。
インラインスケートが救いになった
最近、娘がインラインスケートにはまっています。

そこで「○日にまたインラインスケートに連れて行ってあげるね。それまでがんばろっか」と約束をしてみました。
すると翌日から

インラインスケートやりたいから頑張ってるよ!
と報告してくれるように。
そして実際にインラインスケートを思いっきり楽しんだ後も、態度が急変することはありませんでした。
ご褒美で釣っているだけだと、終わったら元に戻りそうなものですが、そうはならなかった。
楽しいことを挟んであげると、何かが発散されるのかな?と不思議に思いました。
でも考えてみると、大学で学んだ理論に思い当たることがありました。
大学で学んだ「拡張-形成理論」を思い出した
心理学部の授業で習ったバーバラ・フレドリクソン教授の「拡張-形成理論(ブロードン・アンド・ビルド理論)」。
当時は教科書の中の話でしたが、娘のインラインスケート後の様子を見て「これのことかも」と思い当たりました。
もちろん1回の体験ですぐに何かが変わるわけではありませんが、楽しい体験を積み重ねていくことが大事なんだと改めて感じています。
なぜ「楽しい体験」が回復力になるのか?
フレドリクソン教授の理論によると、ポジティブな感情を繰り返し経験することで、次のような効果が少しずつ積み上がっていくとされています。
💡 拡張-形成理論(ブロードン・アンド・ビルド理論)
提唱者:アメリカの心理学者 バーバラ・フレドリクソン教授
ポジティブな感情を繰り返し経験することで、次のような効果が少しずつ積み上がっていくとされています。
| 効果 | どういうこと? |
|---|---|
| 思考と行動の幅が広がる | 「楽しい!」「やりたい!」と感じているとき、新しいことに挑戦したり他者と関わろうとしやすくなる |
| 心の回復力(レジリエンス)が高まる | 楽しい体験を重ねることで、ストレスからの回復力が少しずつ高まるとされている |
| 長期的な心の資源になる | ポジティブな感情の積み重ねが、知識・スキル・人間関係といった「心の貯金」になっていく |

つまり、子どもにとって「楽しい!」と思える体験は単なるご褒美ではなく、
ストレスに負けない心を少しずつ育てるための栄養のようなものです。
ママの日常で言えば、久しぶりの友達ランチのあと子どもにちょっと優しくなれる、あの感覚です✨
心理学では、ストレスを感じたときに好きなことをして気分転換するのも、ちゃんとした対処法のひとつとされています。
娘のインラインスケートはまさにこれだったのかもしれません。
学生時代に学んだ理論が、まさか自分の子育てで実感する日が来るとは思いませんでした。
大事なのは「ご褒美で釣る」のではなく、「心のエネルギーを充電する時間」として位置づけることだと感じています。
対処法③ 先生との連携を親が橋渡しする
3つめは、学校との連携を親が橋渡しすることです。
5月の担任面談に向けた準備
5月には担任の先生と生徒が1対1で話をする機会があります。
先生に急に「困っていることある?」と聞かれても、娘はたぶん何も言えません。
なので、今のうちに「先生にこれだけは伝えておこうね」ということを一緒に考えておこうと思います。

事前に「こうやって言ってごらん」とサポートしてあげるだけでも、
娘の気持ちは楽になるかなと思っています。
6月の保護者懇談でも先生に様子を伝える
6月には担任の先生と保護者の1対1の懇談もあります。
5月の面談で娘がうまく伝えられなかったことがあれば、このタイミングで親からフォローできます。
「家ではこんな様子です」「休み時間にひとりで過ごしているようで心配しています」など、家での姿を具体的に伝えておくと、先生も気にかけてくださると思います。
やりがちだけど逆効果なこと
意識してやらないようにしていることもあります。
🚫 やりがちだけどやめたこと
| つい言ってしまうこと | 子どもはどう感じる? |
|---|---|
| 「○○ちゃんは楽しく行ってるよ」 | 自分だけダメなんだ、と感じてしまう |
| 「行かないとママも仕事に行けないよ」 | 自分のせいでママが困っている、と罪悪感を持つ |
| 「いつまで甘えてるの」 | 甘えちゃいけないんだ、と気持ちを閉ざしてしまう |
| 「なんで行きたくないの?」 | 理由をうまく言えず追い詰められた気持ちになる |
| 「誰かと遊んだ?」「お友達できた?」 | ひとりで過ごしている自分はダメなんだ、と感じる |
特に最後の質問は、親としては心配で聞いてしまうのですが、娘にとっては「ひとりで過ごしている自分はダメなんだ」というメッセージになりかねないんですよね。
最近は休み時間に絵を描いているようなので、
今は「今日はどんな絵を描いたの?」と聞くようにしています。

「ひとりで過ごしている=かわいそう」
と思っていたのですが、
娘にとっては“安心できる過ごし方”だったのかもしれません。
自由帳に絵を描く時間は、娘なりに学校という新しい環境の中で自分を守る方法だったんだと、今は思えるようになりました。
困ったらスクールカウンセラーに頼れる
今回、入学式後にスクールカウンセラーの先生のお話を聞けたことは大きかったです。
行きしぶりがひどくなったり、長期化したりする場合は、個別に相談することもできます。
スクールカウンセラーの配置状況
多くの公立小中学校でスクールカウンセラーの配置が進んでいます。
・公立小学校では約9割に配置が進んでいるとされている(文部科学省の調査より)
・中学校ではほぼ全校に配置されている
・ただし週1回・数時間程度の勤務が一般的で、毎日いるわけではない
・配置時間は都道府県や自治体によって差がある
「うちの学校にはいないかも?」という場合でも、教育委員会に問い合わせると地域の相談窓口を紹介してもらえることがあります。

気になることがあれば学校に聞いてみるのがおすすめです。
名古屋市は「なごや子ども応援委員会」がある
わが家は名古屋市なのですが、名古屋市には「なごや子ども応援委員会」という独自の支援体制があります。
これは全国的にもかなり珍しい取り組みで、知っておくと心強いです。
なごや子ども応援委員会とは?
2014年にスタートした名古屋市独自の支援組織です。
・全市立中学校110校に常勤のスクールカウンセラーを配置(全国でも珍しい常勤配置)
・全市立の幼稚園・小学校・高等学校・特別支援学校にもスクールカウンセラーを配置し、幼・小・中・高で途切れのない支援を行っている
・スクールカウンセラーだけでなく、スクールソーシャルワーカー(SSW)など複数の専門職がチームとして連携
・中学校の常勤スクールカウンセラーが必要に応じてブロック内の小学校にも出向いて対応してくれる
・相談時間は午前10時~午後4時(学校閉庁日・土日祝を除く)
利用したい場合は、まずお子さんが通っている学校に相談すればOKです。
(参考:名古屋市公式サイト「なごや子ども応援委員会」)

このような体制があるということ自体が心の余裕ににつながりますね✨
まとめ:正解はわからないけど、今できることをやる
①たくさん話を聞いてあげる(傾聴)
→ おやつタイムに「楽しかったこと」と「困ったこと」を聞く。基本は聞き役に徹し、困っている時は具体的な対処法も一緒に考える
②学校外に「楽しみ」を作る
→ 好きなことに没頭する時間は心のエネルギーを充電してくれる。ご褒美ではなく「回復の時間」
③面談に向けて困っていることを整理する
→ 先生と話せるタイミングに伝えたいことを一緒に準備する
小1のGW明け、「学校行きたくない」という言葉に戸惑うママは少なくありません。
とくに知り合いゼロでの入学は、子どもにとって想像以上に大きな環境の変化です。
わが家で今まさに試しているのは、特別なことではなく、とてもシンプルな3つです。
すぐに劇的な変化があるわけではありません。
でも、少しずつ表情がやわらいだり、自分から話してくれる瞬間が増えたり——そんな小さな変化が、確かな前進だと感じています。
「このままで大丈夫かな」
「無理させていないかな」
そうやって悩むのは、それだけ子どものことを大切に思っているからこそですよね。
正解はきっとひとつではありません。
でも、安心できる場所が家にあって、気持ちを受け止めてもらえる時間があれば、子どもは自分のペースで前に進んでいける力を持っていると思います。
焦らず、比べず、問い詰めず。
ママもひとりで抱え込まずに。

同じように悩んでいる方と一緒に少しずつ、
この時期を乗り越えていけたら嬉しいです。
ではまた♪
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