前回の記事で、年収の壁には「税金の壁」と「社会保険の壁」の2種類があること、
そしてパート主婦が本当に気にすべきは「社会保険の壁」だとお伝えしました。
👉【第一回】年収の壁がわからない主婦へ|税金と社会保険を完全に分けて解説【103万・106万・130万の正体】
✅じゃあ税金の壁って何なの?
という話を、今回は詳しくやっていきます。
先に結論を言ってしまうと、
税金の壁は超えても大きく損することはありません。

前回の記事でも簡単にお伝えしましたが
税金の壁は「超えてもまあ大丈夫」。
「え、じゃあなんでわざわざ1記事使って解説するの?」と思いますよね。
理由は2つあります。
つまり、「気にしなくていい」と安心して言い切れるようになるための回です。
※この記事は「夫の扶養に入っている一般的なパート主婦(給与収入のみ)」を前提に解説しています。ダブルワークや個人事業、副業収入がある場合は、判定が少し複雑になることがあります。
この記事を読み終わったとき、
「103万の壁はもう古い。税制改正で税金の壁は大きく引き上がったから、怖くない」
と言えるようになること。
まず「103万の壁」のおさらい
「103万の壁」って聞いたことありますよね。
パートで働くママなら一度は耳にしたことがあるはず。
これが昔の常識でした。
でも、税制改正によって、この「103万円」という基準は大きく変わりました。
「103万の壁」は、税制改正で大きく変わった
2025年・2026年の税制改正で、所得税の基礎控除や給与所得控除が大幅に引き上げられました。
その結果、年収103万円を超えても、以前のようにすぐ所得税がかかったり夫の控除がなくなったりすることはなくなりました。
(※2026年分の所得から新しい控除額が適用されます。ただし税制は今後も見直される可能性があるため、最新の情報はその都度確認してくださいね。)

つまり、以前の「103万を超えたらアウト」
という感覚はいまの制度にはそのままでは当てはまりません💡
じゃあ、税金の壁は完全になくなったの?
いいえ。「壁」の位置が大きく上に引き上がったんです。
新しく意識しておきたい税金の壁を、ひとつずつ見ていきましょう。
新しい税金の壁①「約178万円」(所得税がかかり始める目安)
税制改正によって、給与収入だけで働くパート主婦の場合、
所得税がかかり始める年収の目安は約178万円まで引き上がりました。
(※基礎控除と給与所得控除の合計額をもとにした目安です。一部の控除は2026年・2027年の2年間の時限措置で、今後見直される可能性もあります。個別の条件によって多少前後しますので、あくまで「だいたいこのあたり」という感覚で読んでください。)

年収178万円って、
時給1,100円で週5日・1日7.5時間
くらい働いてやっと届くかどうかのライン。
ほぼフルタイムパートさんのレベルです💡
週3〜4日のパート主婦にはまず関係ない壁なので、ほとんどの人はここは気にしなくて大丈夫です。
所得税とは別に「住民税」もありますが、こちらは年収100万円前後(自治体によって93万〜100万円)を超えると年間数千円程度かかり始めます。金額が小さいのであまり話題になりませんが、「所得税はゼロなのに住民税だけ来た」とびっくりする人もいるので、頭の片隅に入れておいてください。
なお、今回の税制改正で所得税の控除は引き上げられましたが、住民税の基礎控除は据え置きのままです(2026年5月時点)。住民税は所得税とは別のスケジュールで動くので、「所得税は変わったのに住民税は変わらないの?」と混乱しないよう、頭の片隅に入れておいてくださいね。
新しい税金の壁②「約136万円」(配偶者控除に関わる目安)
次に2つ目の壁、約136万円です。
これは「配偶者控除に影響が出始めるかどうか」の目安となるラインです。
(※ただし、このラインを超えても「配偶者特別控除」というクッションがあるので、いきなり損するわけではありません。詳しくはこの後で説明しますね。)
配偶者控除って何?
ここでつまずく人が多いのですが、めちゃくちゃざっくり言うとこういうことです。
「奥さんの収入が少ないから、旦那さんの税金を少しまけてあげますよ」
という制度です。
正確には「夫の所得から38万円を差し引いて課税する」ということ。
旦那さんの年収や所得にもよりますが、ざっくり年間で数万円程度の税金が安くなるイメージです。
税制改正で、この配偶者控除が使える妻の年収の上限も引き上がりました。
3人はどうなる?
がっつりさんは136万円を超えているので、夫の配偶者控除は使えなくなります。
でも、ここで慌てないでください。
「配偶者特別控除」というクッションがある
実は、配偶者控除の上限を超えても、いきなりゼロにはならないんです。
配偶者控除(満額38万円)が使えなくなっても、
「配偶者特別控除」という別の制度に自動的に切り替わります。
ここがポイントなのですが、制度の名前は変わっても、控除額は同じ38万円のままなんです。
つまり、年収約136万円を超えても、約150万円までは夫の控除額は実質変わりません。
約150万円を超えると、そこから段階的に控除額が減り始めて、
年収約201万円を超えるとゼロになります。
「壁」というよりは「なだらかな坂道」のイメージです。

『配偶者控除』と『配偶者特別控除』・・
名前が似ててややこしい・・😅
がっつりさん(年収150万円)の場合
がっつりさんの年収150万円は、ちょうど『配偶者特別控除』が満額使える上限あたり。
制度名は「配偶者控除」から「配偶者特別控除」に変わっているけど、夫側の控除額は136万円以下のときとほぼ同じです。
つまり、いきなりドカンと夫の税金が増えるわけではありません。
仮にもう少し年収が上がっても、年間で数千円〜1万円程度の変化です。
がっつりさんが稼いでいる金額に比べれば、ほとんど誤差ですよね。
税金の壁で手続きは必要?
唯一注意したいのは「配偶者手当」(税金の壁とは別の話)
ここまで読んで、「税金の壁、全然大丈夫じゃん」と思いましたよね。
でも、ひとつだけ注意してほしいことがあります。
それは、夫の会社が出している「配偶者手当」(家族手当)です。
これは税金の制度ではありません。
あくまで会社独自の福利厚生なので、税制改正とは連動していません。

夫が福利厚生でもらっている配偶者手当があるのか
確認しておきましょう。
わが家は特に手当はもらっていないので気にしていません。
まとめ:税金の壁で覚えておくことは3つだけ
税金の壁は、超えてもまあ大丈夫。
手続きも不要で、年末調整で勝手に精算される。
パート主婦が本当に気をつけるべきは、やっぱり「社会保険の壁」のほうです。
次の記事では、いよいよその「社会保険の壁」について詳しく解説します。
106万の壁が撤廃されるって話、130万の壁の新しいルール、
そして「勤務先の規模でなぜ条件が違うのか」を、3人の状況に当てはめながらお伝えしますね。

これでシリーズの半分終了しました!
また次回の記事でお会いしましょう✨
ではまた♪
このシリーズの記事一覧
第1回:年収の壁ってなに?税金と社会保険の2本柱をわけて理解する
第2回(この記事):「税金の壁」をやさしく解説(103万・136万・178万円編)
第3回:「社会保険の壁」が本当にやっかい(106万撤廃・130万円編)
第4回:社会保険に入ったら、いくら稼げば損しない?
※この記事は2026年度税制改正大綱の内容に基づいて、2026年5月時点の情報で作成しています。一部の控除額は2年間の時限措置のため、2028年以降に変更される可能性があります。また、記事中の金額はあくまで一般的なパート主婦(給与収入のみ)を前提にした目安であり、個別の状況によって異なる場合があります。正確な判断が必要な場合は、税務署や税理士にご相談ください。



コメント